トップメッセージ
J-REIT業界のリーディング・カンパニーとしてESGに関する取り組みを推進し、
全てのステークホルダーにとっての最善と投資主価値の最大化を目指します。
J-REIT業界のリーディング・カンパニーとしてESGに関する取り組みを推進し、
全てのステークホルダーにとっての最善と投資主価値の最大化を目指します。

ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント株式会社
代表取締役社長
ジャパンリアルエステイト投資法人(以下、JRE)は2001年9月に日本で初めて上場したJ-REITで、日本国内の大規模オフィスビルに投資を行っています。その資産運用会社であるジャパンリアルエステイトアセットマネジメント株式会社(以下、JRE-AM)では、サステナビリティを経営の最優先事項の中の一つとして位置づけ、2018年にESG推進室(現サステナビリティ推進部)を設立しました。
以来、さまざまなサステナビリティに関する取り組みを行っています。具体的には、2022年に重要課題をマテリアリティとして特定し、2030年度に向けたKPIを設定しています。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示やサステナビリティ・リンク・ローンの実行、RE100への加盟、設備改修による既存ビルのZEB化など、J-REIT業界において先駆的な取り組みも行っています。JREのサステナビリティへの積極的な姿勢は、ステークホルダーの皆様から広くご支持をいただいています。
直近の主な取り組みや実績は以下となります。
地球温暖化が進行し、世界各地で異常気象が増加する中、私たちは使命感をもってサステナビリティの取り組みを進めています。現在、注力していることの一つは、再生可能エネルギー由来電力(以下、再エネ電力)への切り替えです。
JREが保有するオフィスビルでは、共用部だけではなくテナント区画で使用する電力についても再エネ電力を導入することで、テナント使用分も含めてCO₂排出量をゼロにすることができます。JREでは積極的に再エネ電力の導入を進めており、2024年度末時点で導入率は82.2%※3となりました。私たちは、2050年度までに再エネ導入率100%の達成を目指し、持続可能な未来に向けた取り組みを着実に進めています。この長期目標に向けて、まずは2025年度に85%、2030年度には90%という中間目標を掲げ、段階的に再エネ電力の導入を進めています。
こうした取り組みの一環として、2022年には国際的な枠組みであるRE100に、J-REITとして初めて参加しました。これは、再生可能エネルギーへの転換に対する私たちの強い意志を示す、大きな節目となりました。
また、環境への配慮は電力だけにとどまりません。JRE-AMでは、サステナビリティ部門の担当者や関係者だけでなく、経営層も積極的に関与し、各ビルのエネルギー消費量、水消費量、廃棄物量及びリサイクル率を毎月モニタリングしています。日々の運営の中で、各々が課題意識をもって各項目の改善に取り組んでいます。
私は2025年4月、JRE-AMの代表取締役社長に就任しました。これまでJRE-AMは強力にサステナビリティ経営を推進してきましたが、今後はその取り組みをさらに充実させ、サステナビリティ先進リートとしての立場を維持・向上させていく考えです。
JREは、質の高いオフィスビルの提供を通じて、長期的な投資機会を創出し、投資主価値の最大化を目指しています。そのためには、サステナビリティの視点が必要不可欠であると考えています。
近年、テナントがオフィスに求めるニーズは多様化しています。賃料や立地に加え、環境に配慮した設備、省エネ性能の高さ、そして従業員が生き生きと働ける快適な職場環境などが重視されるようになっています。このようなニーズを的確に捉え、設備やオフィス環境を整備することで、テナント企業における人材の定着や採用、事業の継続性さらには企業価値の向上などにもつながります。
また、日本には地震や津波、台風といった自然災害リスクが存在します。たとえば浸水リスクに対しては、止水板や地下の重要設備室扉の防水化といったハード面での対策だけでなく、災害訓練や被災状況を即座に把握できるシステムの導入などソフト面における対策を講じることで、建物の安全性は高まります。こうした取り組みには一定の投資が必要ですが、JREのビルが安心安全なオフィスビルであると多くの企業に認知されることで、オフィスマーケットで選ばれる存在となり、中長期的には投資主のリターンへとつながります。こうした好循環を生み出し、その循環をより広げていくために、私たちは試行錯誤を重ねています。
2025年、サステナビリティの世界には逆風が吹き始め、荒れた幕開けとなりました。米国では政権交代の影響でESGへの姿勢が揺らぎ、サステナブル投資に対する流れが一部で後退している様子がうかがえます。一方で、サステナブル投資が浸透している英国や欧州では、引き続きサステナビリティへの取り組みを支持するトレンドが続いています。
グリーンウォッシングへの懸念も依然として高く、サステナブル投資に対する信頼性が問われる中、法的規制や第三者保証の強化が進んでいます。欧州では、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)に準拠したサステナビリティ情報開示基準の導入や、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)に基づくESRS(欧州サステナビリティ報告基準)の適用が始まりました。日本においても、ISSB基準に準拠したSSBJ(サステナビリティ基準委員会)基準の整備が進められています。
私たちはこうした状況を踏まえ、サステナビリティに関して表面的な取り組みに終わることなく、実効性ある行動を積み重ねていきたいと考えています。グリーンウォッシングへの懸念が高まる今だからこそ、誠実で透明性のある情報開示を徹底し、信頼される存在であり続けることが、私たちの責任です。ステークホルダーの皆様との相互コミュニケーションを深め、協働を通じてオフィスビルの価値向上を追求し、投資主価値の最大化を目指していきます。今後とも変わらぬご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。